“ぬきあしさしあし”のいろいろな漢字の書き方と例文
直行は
佇みて様子を
候ひゐたり。
抜足差足忍び
来れる妻は、後より小声に呼びて
往来の人達は、何かえたいの知れぬ不幸を予感しているとでもいった風に、
抜足差足で歩いているかと見えた。音というものが無かった。死んだ様な静寂が、
其辺一帯を覆っていた。
ば
胴卷に入れて
確と
懷中にて
縛り夫れより又土藏へ忍び入り
質物の中にて
何れも金目なる小袖類を盜みとり
風呂敷に包みて
背負傍邊に在りし
鮫鞘の脇差を腰にぶつこみ猶又
拔足差足を