“ときめき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
動悸88.9%
顕貴11.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
——しかし、そうした彼女にしても、たった二人きりな深夜の相手が、自分の顔を見るのもまばゆそうに、動悸ときめきを抑えて、じっとそこに固くなっていると、自分もともに処女心おとめごころに返って、相手の者と同じような初心うぶ動悸ときめきを覚えるのだった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とふッさりした黒髪が新九郎の動悸ときめきつかるように投げられた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
木枕や臥床ふしどを、とまの隅へ押しやって、えりをあわせたり帯の結びを直したりした。恋を覚えそめた十七、八の年頃の動悸ときめきも、今の動悸ときめきも、彼女には少しも変って来たふうがない。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういう戦慄と、異性へ動悸ときめきと、ふたつの血の音が、沈黙の底を、こもごもに駆けていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と言ふのは、彼の心のうちに、貴族社会の冷やかなほど筋目正しい秩序に育てられて、顕貴ときめき——特にそれが装ふあらゆる何気ない幸福の表情の根に横はる一種の密かな特権に向けて、彼の侮蔑と野心とが冥々の裡に芽生え、極く自然な生長を遂げて行つたといふほどの意味である。
垂水 (新字旧仮名) / 神西清(著)