“てかがみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
袖姿見50.0%
手鑑50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風呂敷には、もう一品ひとしな——小さな袖姿見てかがみがあった。もっとも八つ花形でもなければ柳鵲りゅうじゃくよそおいがあるのでもない。ひとえに、円形の姿見かがみである。
袖姿見てかがみは、瞳のごとく背後うしろざまに巨なる銅像を吸った。拳銃ピストルは取直され、銃尖じゅうせんが肩からのぞいた……磨いた鉄鎚かなづちのように、銅像の右の目に向ったのである。
うしろ向きになって、的の姉さんを袖姿見てかがみに映して狙いながら、銃口つつぐちを、ズッと軽くやわらかに肩にめて、そのうしろむき曲打にズドンと遣るんだ。いや、肝を冷す。
思うに、彼らの学問は、机というものを知らず、ただ、生死の道の生命を手鑑てかがみとし、人間世態の現実をおしえかえりみ、天地自然を師となして体得されたものである。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(おぬしの短所は、あいそがつきる。が、俺にとっては、手本になる。そのため、つきおうてくれるのだ。俺に、阿呆なところがあれば、おぬしの、よい手鑑てかがみ、良友と思うて粗末にすまいぞ)
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)