“せいくら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
背競33.3%
丈較16.7%
脊比16.7%
脊較16.7%
長競16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
弟どもも一人一人の知行はえながら、これまで千石以上の本家によって、大木の陰に立っているように思っていたのが、今は橡栗どんぐり背競せいくらべになって、ありがたいようで迷惑な思いをした。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
うせ凡人を免れない。世の中はドン栗の丈較せいくらべだ。何方のドン栗の丈が高いか? 詰まり凡人としての二人の生活を有りのまゝに描けばよいのである。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
周囲が団栗どんぐり丈較せいくらべだから、すぐに頭角をあらわす。優良若旦那の好一対、お神酒徳利として認められたのはつとにこの頃からだった。調子に乗って、手張りも熾んにやったが、大きな損はしない。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
葉子は立って行って、小夜子と脊比せいくらべをしたりして、親しみを示そうとしたが、いずれも気持がかれずじまいであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
白根葵の咲いた崖腹を一町ばかり行くとまた屏風が始まる、一曲して鋭く右に折れた河の中では、花崗片麻岩の大塊が脊較せいくらべをして、水は其上を勢込いきおいこんで駆け上り駆け下りている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
サア事だと前の処へ還れば、蛇の団堆でなくて黄金ばかり積まれいた。因ってこれを分ち取り、その半を以て、寺一つ建てたという。わが邦も竹林などに蛇夥しくあつまる事あり、蛇の長競せいくらべと俗称す。