“しのびい”の漢字の書き方と例文
語句割合
忍入100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐助は春琴の苦吟くぎんする声に驚き眼覚めて次の間よりけ、急ぎ燈火を点じて見れば、何者か雨戸をじ開け春琴がふしど戸に忍入しのびいりしに、早くも佐助が起き出でたるけはいを察し
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
其の功と云うはひとすぐれた事があるとか、あるいは屋敷に狼藉でも忍入しのびいった時に取押えたとか何かなければとてもいかんが、如何に伯父甥の間柄でも、伯父に頼んで無理にあゝしてくれ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのすきに、何者かが忍入しのびいって、大金を持去ったものに相違ない。それも、既に給料袋に入れられた分や、こまかい紙幣には手もつけないで、支那鞄の中の二十円札と十円札の束けを持去ったのである。
二銭銅貨 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)