“しと/\”の漢字の書き方と例文
語句割合
蕭々100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の仕事も大分捗取はかどつた。私の眼前めのまへには油のやうに流れて行く千曲川の下流の水がある。みぞれ蕭々しと/\降つて居る。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
九月ももう二十日を過ぎたので、殘暑の汗を洗ふ雨の糸を、初秋めいたうそ寒さが白く見せて、蕭々しと/\ひさしを濡らす音が、山中の村で聞くとは違つて、厭に陰氣な心を起させる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
みぞれ蕭々しと/\降りそゝいで居た。橇曳は饅頭笠まんぢゆうがさを冠り、刺子さしこの手袋、盲目縞めくらじまの股引といふ風俗で、一人は梶棒、一人は後押に成つて、互に呼吸を合せながら曳いた。『ホウ、ヨウ』の掛声も起る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)