“しとしと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
瀟々40.0%
蕭々40.0%
粛々20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
梁川君の葬式は、秋雨の瀟々しとしとと降る日であった。彼は高足駄をはいて、粕谷から本郷教会に往った。教会は一ぱいであった。やがて棺が舁き込まれた。草鞋ばきの西田君の姿も見えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
九月ももう二十日を過ぎたので、残暑の汗を洗ふ雨の糸を、初秋めいたうそ寒さが白く見せて、蕭々しとしとひさしを濡らす音が、山中の村で聞くとは違つて、厭に陰気な心を起させる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
降ったりんだりした雪は、やがてみぞれに変って来た。あの粛々しとしと降りそそぐ音を聞きながら、私達は飯山行の便船が出るのを待っていた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)