瀟々しとしと)” の例文
まして飛騨山中の冬の夜は、凍えるばかりに寒かった。霧に似たる細雨こさめは隙間もなく瀟々しとしと降頻ふりしきって、濡れたる手足は麻痺しびれるように感じた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
梁川君の葬式は、秋雨の瀟々しとしとと降る日であった。彼は高足駄をはいて、粕谷から本郷教会に往った。教会は一ぱいであった。やがて棺が舁き込まれた。草鞋ばきの西田君の姿も見えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)