“こじょうき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小蒸汽50.0%
小蒸気50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
階下の輪転機りんてんきのまわり出す度にちょうど小蒸汽こじょうきの船室のようにがたがた身震みぶるいをする二階である。まだ一高いちこうの生徒だった僕は寄宿舎の晩飯をすませたのち、度たびこの二階へ遊びに行った。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
丁度ちょうどその日天祥丸のセーラーが、誤ってぶちまけたと言う機械油の上を、惰性の力で押し流される。やが船渠ドックが満水になると、渠門きょもんは開かれて天祥丸は小蒸汽こじょうきき出される。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
それに、お前さんのようなのを小蒸気こじょうきと云ってね。『水精の蕊キヨール・ド・シレーヌ』なんて源氏名げんじながあったものねえ
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
佐藤が真先に中へ這入って、やがて出て来たから、もう舟に乗れるのかと思ったら、おい這入れ這入れという。我々は石垣の上に立っていた。足元にはすぐ小蒸気こじょうきつないである。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)