“こざね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小貫50.0%
小札25.0%
小実12.5%
小板12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
炎天を、騎行きこうして来たので、鎧のかわ小貫こざねけきっていた——大汗にまみれて彼は今、ようやくたどり着いた田楽狭間でんがくはざまの芝山で駒の背から降りた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鉄騎隊と云うのは、全身を鱗のような鋼の小札こざねで被っていて、只眼と口を除く外は殆んど不死身と云っていい位に武装した騎士達と、更に太い鎖で互に繋ぎ合って一団となってやって来るのである。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
狩衣かりぎぬのすそを旅支度にくくり、えりの下にはよろい小実こざねきらめいていた、長やかな銀作りの太刀を、革紐かわひも横佩よこばきにし、それでいて烏帽子えぼしをいただいた髪の毛は真っ白なのである
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鋳鉄てつ小板こざねがキラキラと閃めき、長劔が鞍にあたつて音を立てる。兜が揺れあがり、口髭は黒ずみ、両眼は瞑られて、睫毛が伏さつてゐる——彼はまどろんだまま、夢うつつで手綱を握つてゐるのだ。