“こくしゃ”の漢字の書き方と例文
語句割合
黒紗100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高廉こうれんあかくちをあいて笑った。黒紗こくしゃぼう黒絹くろぎぬ長袍ながぎ、チラとすそに見えるはかまだけが白いのみで、歯もまた黒く鉄漿かねで染めているのであった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はてのひらを上に蠅を転がして、仔細しさいた。ああ、なんということであろう。それは本当の蠅ではなかった。薄い黒紗こくしゃで作った作り物の蠅だった。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
蠅は? 蠅は単に小さい孔を隠すたてにすぎなかった。薄い黒紗こくしゃで出来ている蠅の身体はよくけて見えるので、撮影に当ってレンズの能力を大してそこなうものではなかったのである。
(新字新仮名) / 海野十三(著)