“くまどり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
隈取66.7%
眼隈33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
来青花そのおほいさ桃花の如く六瓣にして、其の色はくわうならずはくならず恰も琢磨したる象牙の如し。しかして花瓣の肉はなはだ厚く、ほのかに臙脂の隈取くまどりをなせるは正に佳人の爪紅つまべにを施したるに譬ふべし。
来青花 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
忌隈いみぐまという芝居の古譚などもございまして、一つの面明つらあかりで、ちがった隈取くまどりをした二つの顔を照らす場合には、よほど隈の形や、色を吟味しておかないと、えてして複視を起しやすい遠目の観客には
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それが一体に妖婦の眼隈くまどりの様に艶かしくも黒ずんで、明るい所と云っては、絶壁と絶壁との庇間ひあわいの細く区切られた空、それも平地で見る様な明るいものではなく、昼間も夕暮時の様に鼠色で
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)