“きつきつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吃々76.9%
屹々7.7%
拮々7.7%
軋々7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
咄々とつとつ吃々きつきつとして、紅顔十五から十七歳までの少年十数名が、祖城の亡ぶ炎をかなたに刺しちがえて死んだ——あの維新惨劇の一場面を語ってゆく。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
麻川氏は自分の屹々きつきつした神経の尖端せんたんを傷めないK氏の外廓形態の感触に安心してK氏のなか味のデリカな神経に触接し得る適宜さでK氏をますます愛好して居るのではあるまいか。
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ただ土鼠もぐらのように、命のある限り、掘り穿っていくほかには、何の他念もなかった。彼はただ一人拮々きつきつとして掘り進んだ。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
旅衣を平生服ふだんぎ着心地きごこちよきにかえ、窓外にほゆる夜あらしの音を聞きつつ居間の暖炉に足さしのべて、聞きなれし時計の軋々きつきつを聞くは、まったき愉快の一なるべし。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)