“かんぎょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寒行33.3%
観経33.3%
観行16.7%
看経16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「音羽」の横町には格子づくりのおんなじ恰好のしもたやばかり並んでいた。正月の夜の心細い寒行かんぎょうの鉦の音がいまでもわたしをその往来へさそうのである。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
皮肉な感じさえ起こさせるのがある。あの観経かんぎょうにある下品往生げぼんおうじょうというのは、手は虚空こくうを握り、毛穴からは白い汗が流れて目もあてられぬ苦悶くもんの臨終だそうな。恐ろしいことじゃ。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
きょうこのごろの千手が為めには、一念三千の法門も、三諦圓融さんたいえんゆう観行かんぎょうも、さらに要ありとも覚えずそうろう。
二人の稚児 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
上人のような高徳のひじりでさえ、此の山へ逃げて来られる以前には、有りと有らゆる浮世の煩悩に苦しめられて、其のきずなを断ち切るまでに、長い間の観行かんぎょうを積まれたのだそうである。
二人の稚児 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その夜、近所の人たちもよんで年忌の看経かんぎょうをつとめ、その人たちが帰りかけるとカヤノまでがそわそわと荷物を片づけだした。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)