“かさつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苛察66.7%
火殺33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小才覚があるので、若殿様時代のおとぎには相応していたが、物の大体を見ることにおいてはおよばぬところがあって、とかく苛察かさつに傾きたがる男であった。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
冷酷苛察かさつの人畜ともいうべき、北条義時の手によって、それぞれ御配流おんはいるのお身の上になられた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
補佐する高資たかすけに至っては——長崎高資に至っては、貪慾どんよくにして苛察かさつの小人、賄賂をむさぼり訴訟を決し、私情をもって人事を行い、ひたすら威服をほしいままにす。……人心北条氏を離れおるぞ!
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おん志と違いたまい、足利の手に宮家には、お渡りあそばさるる御身おんみの上となられ、遥々鎌倉へ移らせられ、苛察かさつ冷酷の典型的悪将、尊氏の舎弟直義ただよしの手にて、二階堂ヶやつ東光寺内の
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
敵の陣営深く、討ち入ったかと思うと、帰途は断たれ、四面は炎のかきになっていた。まんまと、自らすすんで火殺かさつわなに陥ちたのである。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)