“かけゆ”の漢字の書き方と例文
語句割合
駈行100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
轔々りんりん轟々ごうごう轣轆れきろくとして次第に駈行かけゆき、走去る、殿しんがりに腕車一輛、黒鴨仕立くろがもじたて華やかに光琳こうりんの紋附けたるは、上流唯一の艶色えんしょくにて、交際社会の明星と呼ばるる、あのそれ深川綾子なり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今はハヤ須臾しゆゆも忍びがたし、臆病者と笑はば笑へ、恥も外聞もらばこそ、予はあわたゞしく書斎を出でて奥座敷のかた駈行かけゆきぬ。けだし松川の臥戸ふしどに身を投じて、味方を得ばやとおもひしなり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)