“おさかべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刑部54.5%
小坂部18.2%
小刑部9.1%
忍坂部9.1%
忍壁9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうして着々と、まっ黒に、地を這う雲かのような甲軍二万七千余の兵は、押太鼓おしだいこを天地にとどろかせながら、祝田いわいだ刑部おさかべ引佐川いなさがわと迫って来た。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしは帝劇のために「小坂部おさかべ姫」をかいた。それを書くことに就いて参考のために、小坂部のことをいろいろ調べてみたが、どうも確かなことが判らない。
小坂部伝説 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
まず伝説の方から云うと、人皇第九十二代のみかど伏見天皇のおんときに、小刑部おさかべという美しい女房が何かのとがによって京都から播磨国に流され、姫山——むかしは姫路を姫山と云った。
小坂部伝説 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この歌は、川島かわしま皇子がこうぜられた時、柿本人麿が泊瀬部はつせべ皇女と忍坂部おさかべ皇子とにたてまつった歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
忍壁おさかべという地に刑官が居ったが為に刑部をオサカベという様に、泊橿部という地に土壁の職にたずさわる人が居ったから、それでその人をハツカシベと云ったのであろうと解しておられる。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)