“うちいど”の漢字の書き方と例文
語句割合
内井戸100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敷居の外の、こけの生えた内井戸うちいどには、いまんだような釣瓶つるべしずく、——背戸せどは桃もただ枝のうちに、真黄色に咲いたのは連翹れんぎょうの花であった。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
遠くで、内井戸うちいどの水の音が水底みなそこへ響いてポタン、と鳴る。不思議に風がんで寂寞ひっそりした。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その小児こども振向ふりむけた、真白な気高い顔が、雪のように、さっと消える、とキリキリキリ——と台所を六角ろっかく井桁いげたで仕切った、内井戸うちいど轆轤ろくろが鳴った。が、すぐに、かたりと小皿が響いた。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)