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あさのけ
一行四人は
兵衛の
妹壻が
浅野家の家中にある事を知っていたから、まず
文字が
関の
瀬戸を渡って、
中国街道をはるばると広島の城下まで上って行った。
春の生理をみなぎらした川筋の
満潮が、石垣の
蠣の一つ一つへ、ひたひたと
接吻に似た音をひそめている。
鉄砲洲築地の
浅野家の上屋敷は、ぐるりと川に添っていた。
嚴重に
固られたり又仁王門の
方御加勢には松平安藝守殿(
淺野家)の同勢にて
詰切る其外
町方に於ては近年大岡越前守の下知にて江戸中の
鳶の者をいろは四十八
組となし
町方火消を