“あいぞめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
藍染87.5%
逢初12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでつて庭の中にひざまずいている時に、雨水がたまつて腰につきました。その臣は紅い紐をつけた藍染あいぞめの衣を著ておりましたから、水潦みずたまりが赤い紐に觸れて青が皆赤くなりました。
だが、お通が今いる所は、漁師りょうしの家ではなく、そこらの松の枝や干し竿ざおに、かけ渡してある藍染あいぞめの布を見ても直ぐ知れるように、飾磨染しかまぞめと世間でよぶ紺染こんぞめを業とする小さい染屋の庭にいるのだった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ついでに風呂敷をさげたまま逢初あいぞめ橋の夜店を歩いてみた。剪花きりばな屋、ロシヤパン、ドラ焼屋、魚の干物屋、野菜屋、古本屋、久々で見る散歩道だ。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
逢初あいぞめから一高の方へ抜けてみる。帝大の銀杏いちょうが金色をしている。燕楽軒の横から曲ってみる。菊富士ホテルと云う所を探す。宇野浩二と云うひとが長らく泊っている由なり。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)