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斯様
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こんな
ふりがな文庫
“
斯様
(
こんな
)” の例文
旧字:
斯樣
「まア、長二、お前ほんとに
吃驚
(
びつくり
)
させて、
斯様
(
こんな
)
嬉しいことは無い」と、山の
馳走
(
ちそう
)
は此れ一つのみなる
榾
(
ほだ
)
堆
(
うづたか
)
きまで運び来れる伯母は
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
旅人は
斯様
(
こん
)
な山中にどうして
斯様
(
こんな
)
女がいるかと怪しみながら傍へ行こうとすると
蔦葛
(
つたかずら
)
や、
茨
(
いばら
)
に衣のからまって、容易に行くことが出来ず
森の妖姫
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何
(
いず
)
れ議会の開期中だから、左様遠くもあるめエ、然しネ、オイ、
斯様
(
こんな
)
一目瞭然の事実を山の鬼共はどう
糊塗
(
ごまか
)
す積かナア、一寸思案が付かねエがナア
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
梅「ちょっと/\又市さん、私は
斯様
(
こんな
)
に暗い
処
(
ところ
)
ではないと思ったが、斯様に暗くなっては
提灯
(
ちょうちん
)
がなくっては歩けないよ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
楽しい過去の
追憶
(
おもひで
)
は今の
悲傷
(
かなしみ
)
を二重にして感じさせる。『あゝ、あゝ、
奈何
(
どう
)
して俺は
斯様
(
こんな
)
に
猜疑深
(
うたがひぶか
)
くなつたらう。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
「
斯様
(
こんな
)
にうまい水瓜をはじめて食べました」とS女に悦びをのべたのでした。こんな時にこそ都会住者も自然の
懐
(
ふところ
)
のうれし味をしみ/″\思い知ります。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
……それ源ちゃんは
斯様
(
こんな
)
だし、今も彼の
裁縫
(
しごと
)
しながら
色々
(
いろん
)
なことを思うと悲しくなって泣きたく
成
(
なっ
)
て来たから、口のうちで唱歌を歌ってまぎらしたところなの。
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
之
(
これ
)
を
一言
(
いちげん
)
すれば——西洋日進の書を読むことは日本国中の人に出来ない事だ、自分達の仲間に
限
(
かぎっ
)
て
斯様
(
こんな
)
事が出来る、貧乏をしても難渋をしても、粗衣粗食、一見
看
(
み
)
る
影
(
かげ
)
もない貧書生でありながら
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
都会の中心に生活している人と、
斯様
(
こんな
)
寂しい、わびしい生活をつゞけている人と、どちらが幸福であるかということは容易に裁断しがたい。
渋温泉の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どんな事しても人民の方には判るまい——
斯様
(
こんな
)
浅墓
(
あさはか
)
な考を以て、当年も増税、明年も増税、諸君は止まる所を何となさるのでござりまするか
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
いよ/\今夜は
寝転
(
ねこか
)
しに極った、あゝ
斯様
(
こんな
)
ことなら器用に宵の口に帰った方がよかったものと、眼ばかりぱちくり/\いたして
歎息
(
たんそく
)
いたしています。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
全体
(
ぜんたい
)
誰に頼まれた訳でもなく、誰
誉
(
ほ
)
めてくれる訳でもなく、何を苦しんで
斯様
(
こんな
)
事
(
こと
)
をするのか、と内々
愚痴
(
ぐち
)
をこぼしつゝ、必要に迫られては
渋面
(
じゅうめん
)
作って朝々通う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
『おや/\、銅貨を沢山呉れるねえ。』と銀之助は笑つて、『
斯様
(
こんな
)
にあつては持上がりさうも無いぞ。はゝゝゝゝ。時に、瀬川君、けふは御引越が出来ますね。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
また男はこの場合にこういうことを思い出したであろう。——家の者は今頃自分が
斯様
(
こんな
)
山奥で悪者に命を取られるということなどは知るまい。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ほツほ、何を長二、言ふだよ、
斯様
(
こんな
)
老人
(
としより
)
をお前、
弄
(
なぶ
)
るものぢや無いよ、其れよりも、まア、
何様
(
どんな
)
婦人
(
ひと
)
だか、
何故
(
なぜ
)
連れて来ては呉れないのだ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
私はまア
斯様
(
こんな
)
にお前さんの介抱を受けようとは思いませんかったが、不思議な縁で連に成ったのも
矢張
(
やっぱり
)
笈摺を
脊負
(
しょ
)
ったお蔭、全く観音様の
御利益
(
ごりやく
)
だと思います
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『偶然なことから
斯様
(
こんな
)
に御懇意にするやうになつて、今では非常な御世話に成つて居ります。僕の著述のことでは、殊にこの市村君が心配して居て下さるんです。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何故
(
なぜ
)
斯様
(
こんな
)
に彼は恐れ嫌がるのであろう? 田舎の人達は、子供に到るまで、あまり蛇を恐れぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
これが、舞子か……と私は、思っていたより淋しい処であり、
斯様
(
こんな
)
処なら、越後の海岸に
幾何
(
いくら
)
もありそうな気がした。
舞子より須磨へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
榾
(
ほだ
)
の煙は「自然の香」なり、篠田の心は
陶然
(
たうぜん
)
として酔へり、「私よりも、伯母さん、
貴女
(
あなた
)
こそ
斯様
(
こんな
)
深夜
(
おそく
)
まで
夜業
(
よなべ
)
なさいましては、お体に
障
(
さは
)
りますよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
あのね
内証
(
ないしょう
)
でお母さんに逢って詫言をしたい、辛抱人に成ったてえが、本当に成ったかも知れないよ、内証でお母さんに逢いたいって坊に
斯様
(
こんな
)
にお銭をくれたよ、お銭を
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すると母は、『お前、昼眠をせんで起きているのか、頭に悪いから
斯様
(
こんな
)
熱いのに外へは出られんから少し眠て起きれ。』といって、また
其儘
(
そのまま
)
眠ってしまった。
感覚の回生
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
といううちに早や言葉が
潤
(
うる
)
んで参ります。親子の情としては
然
(
さ
)
もあるべきことでございましょう、我子が
斯様
(
こんな
)
碌でもないことを致し、
他人
(
ひと
)
を悩めると思いましたら堪りますまい。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
或は時として、運動場などで
斯様
(
こんな
)
風で泣かされて、
悄然
(
しょんぼり
)
と教員室の前に来て立って、受持教師の出るのを待って、その一部始終を告げて、訴えることがある。
蝋人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
花車はスッと羽織と
単物
(
ひとえもの
)
を脱ぎましたが、角力取の喧嘩は大抵
裸体
(
はだか
)
のもので、花車は衣服を脱ぐと下には取り廻しをしめている、ウーンと腹を
揺
(
ゆ
)
り
上
(
あげ
)
ると腹の大きさは
斯様
(
こんな
)
になります
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夫というのは
懶惰者
(
なまけもの
)
の、酒飲みで
普通
(
あたりまえ
)
の人間でない。けれど翁は
斯様
(
こんな
)
者でも自分の傍に
置
(
おい
)
て意とせなかった。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私はお前さん故で
斯様
(
こんな
)
に馴れない旅をして、峠を越したり、
夜夜中
(
よるよなか
)
歩いて怖い思いをするのはお前さん故だよ、お前さんも元は榊原様の藩中で、水司又市と云う立派な侍では有りませんか
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
斯様
(
こんな
)
淋しい国に
何時
(
いつ
)
迄居られよう。早く快活な国へ——もっと南の暖かな国へ行って住みたいものだ。」
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
怒
(
おこ
)
るのか、
己
(
おい
)
らが言ったことが気にさわったら堪忍しなせえ、何も悪気でいったことじゃアねえんだ、己らだッて
斯様
(
こんな
)
わけになってるお
前
(
めえ
)
を海上に渡して仕舞うのはいゝ心持じゃねえが
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
晩方
(
ばんがた
)
になると重くなると聞いていたから、それで周蔵も
斯様
(
こんな
)
に苦しみ出したのだ、とは子供心ながらに思わぬでもなかったが、彼の様子は実際苦しそうであった。
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あんたは
老
(
と
)
るお年でございますから、お
父
(
とっ
)
さんお
母
(
っか
)
さんも死んでから、お祖父さんのお蔭で私は
斯様
(
こんな
)
に大きくなりましたが、幾らお達者だって、最う六十の上六つも越して入らっしゃるから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私はただ、
滅多
(
めった
)
に
斯様
(
こんな
)
景色は見られないと思った。……ただ、とぼとぼと母と二人で雪道を歩いていると、遠くの遠くで、ど、ど、ど——という物凄い音が聞える。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
斯様
(
こんな
)
風に、この僧は、毎日、毎日、村を歩き廻った。十日も続いたかと思うと、何時しか
何処
(
いずこ
)
にか去って村へ来なくなった。村の人は何時からこの僧が来なくなったかを知る者がない。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、親切に言われるので、この時太郎も二郎も
斯様
(
こんな
)
優しい母さんがあるのに、前の母さんを恋しく思うのは
罰
(
ばち
)
が当るように思われて、二人は昨夜の夢の話を母さんに言われませんでした。
迷い路
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それとも
斯様
(
こんな
)
に罪なげに見えるがその実腹の怖しい婆であるのか分らなかった。
老婆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
斯様
(
こんな
)
笛はいらぬから、どうか母が帰ってくればいいにと
地踏韛
(
じだんだ
)
踏んだ。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この町は荒海の
辺
(
ほと
)
りにある。石油が
出
(
でる
)
ので
斯様
(
こんな
)
辺鄙
(
へんぴ
)
な処にも小さな町が出来たのだ。北の空の冴え冴えしいのは
見落
(
みおろ
)
す下には真青な海があるからのせいもある。北風の強いのも海が近いからである。
暗い空
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“斯様”で始まる語句
斯様々々
斯様斯様
斯様々々云々