)” の例文
民譚或はほかひ人の芸謡などの長篇の抒情詩をめこんで喜んだ遊戯態度が、進んで純文学動機を、創作の上に発生させたのである。
亭主も大喜びでしたがお神さんは亭主に向つて此金剛石このダイヤモンドの指環をめても恥かしく無い位の立派な着物をこしらへてれと頼みました。
金剛石 (新字旧仮名) / 夢野久作(著)
畳の上を膝でずっているすそさばきのふきの下から、東京好みの、木型のような堅い白足袋をぴちりとめた足頸あしくびが一寸ばかり見えた。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
なになんでも望遠鏡ばうゑんきやうのやうにまれてはたまらない!ちよツはじめさへわかればもうめたものだ』此頃このごろではにふりかゝる種々いろ/\難事なんじ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
陰惨な役所やくどこによくまり四谷怪談の伊右衛門など最も得意のものとしたいわゆるケレンにも達していて身の軽いことは驚くばかり
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その洋燈は細長い竹の台の上に油壺あぶらつぼめ込むようにこしらえたもので、つづみの胴の恰形かっこうに似た平たい底が畳へ据わるように出来ていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眼は大きく、皿をめたように飛び出ていた。頭髪は、幾十本か、数える位しか固まって生えていなかった。口は大きくて、開いている。
森の暗き夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人とも奥歯に金の義歯をめていたのですよ。その義歯の中がうつろになっていて、強い毒薬が仕込んであったのでしょう。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
出ようとしたはずみが半身になった肩口をスッポリその中にめ込んで、頭から右腕にかけて動けなくなってしまったのだ。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
美人競争の相手が偽ダイヤをめているという発見はすくなからず意を強くするものらしい。鬼の首でも取って来たように、大谷さんに報告した後
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「形見分けをするのは急がないでもいいんだからね。まだ二、三日、なくしさえしなければめていてもかまわない。」
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
アフリカ某地方ちはうの土人は土堀つちほり用のとがりたるぼう石製せきせいをばつばの如くにめてをもりとし、此道具どうぐ功力こうりよくを増す事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
「つまり性質だよ、たいていの人間は規範のなかにめることができる、男でもそうだがことに女はそうだ、しかしどうも俺には嫂ばかりは分からん」
須磨寺附近 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
店の看板女房は、厚化粧して、緑紗りょくしゃ袍衣うわぎに、真紅しんくはかまを着け、ブ毛の光る腕首には、黄金の腕輪をめたりなどしているジプシーのような女だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
目は手釦てボタンの上にとまつた。めの方がとれかかつて釦がぶらりと下つて居た。あわててそれをめ直しながら
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
両頬は深く落ちけて、眼は窪み、頬骨ほゝぼねばかりがいやが上に高く、常には外して居る総入歯を、御飯の時などにめて、入歯をして居る者がよくする様に
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
友信は穗の長さ二尺六寸餘、青貝の柄の長さ七尺五寸二分ある大身のやりくまの皮の杉なりのさやめたのを持たせ、屈竟くつきやうの若黨十五人を具して舟を守護した。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
銅像を下からのぞいた時のように妙に背丈せいの高さの判別がつかなかったり……、時々指環をめた手が、腿の辺まで下りて来て、ぼそぼそと泡を立て乍ら掻いたり……。
足の裏 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
女の帽子針のさきさやめて居るのは、仏蘭西フランスの女が長い針のさき危険あぶなくむき出しにして居るのとちがふ。衛生思想が何事なにごとにも行亘ゆきわたつて居るのはさすがに独逸ドイツである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
日本にほん古來こらい地名ちめいを、郡町村等ぐんてうそんとう改廢かいはいとも變更へんかうすることは、ある場合ばあひにはやむをないが、いにしへ地名ちめいいにしへ音便おんびんによつてめられた漢字かんじみだりにいまおん改讀かいどくせしめ
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
中には、庸三がもっている場合だけの彼女に当てまるような種類のものも無くはなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
蚕豆そらまめほどの大きさから、小さいので小豆粒あずきつぶ位の透きとおり輝く紅玉の珠玉たまを、一つ一つ、灯にかざしては、うこんの布で拭きみがき、それを青天鵞絨あおビロード張りの、台座にめながら
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
おお、宝井が退学をつたのも、其奴そいつが債権者のおもなる者だと云ふぢやないか。余程好い女ださうだね。黄金きんの腕環なんぞめてゐると云ふぢやないか。ひどい奴な! 鬼神のお松だ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
恋愛を自然なる境地にめて写実したるものゝ上々なる事は、余のひそかに自から信ずるところなるが、自然は即ち自然にてあれど、何の生命もなく何の希望もなく、其初めは肉情に起し
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
そのうへあんたなんかは御丁寧ごていねいねん年中ねんぢう足首あしくびおも鐵鎖くさりまでめられてるんだ
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
自分を或る外界の型にめる必要から、強いて不用のものと見て、切り捨ててしまったお前の部分は、今は本当の価値を回復して、お前に取ってはやはり必要欠くべからざる要素となった。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
中にはへいも鏡もなくて、単に中央をくぼめて、けい五寸ばかりの石の球がめ込んであった。不思議でたまらなかったが、悪いことをしたと思うから誰にも理由を尋ねてみることができない。
幻覚の実験 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
巨大な堆石たいせきを戴いた雪の「テーブル」の側へ立って写真を撮ったり、雪の穴ぼこの中へ、更紗さらさの紋でも切りめたように、小さい翼を休めているところの、可憐かれんなる高山蝶を、いじくったりして
火と氷のシャスタ山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
それは私の變則な眼鼻立めはなだちを、彼の端正な古典型な型にめようとする程に、また私の變化に富む緑色の眼に、彼の眼の海のやうな藍色と莊重な光を與へようとすると同樣、不可能なことであつた。
も一つの怪物は二つの青い珠を持ってきて、大異の両眼にめた。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして、南側の欄間に懸っている額の下へ、吸い着けられるように寄って行って、中にまっている四枚の写真を一つ一つながめ始めた。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この要旨を布衍ふえんして、命を惜しい人は皆烏天狗のようなマスクをつけて歩いた。恐水病きょうすいびょうの流行った頃口籠くつこめられて難渋したことのある畜犬共は
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
髪剃は障子にめ込んだ硝子ガラスあたってその一部分をくだいて向う側のえんに落ちた。細君は茫然ぼうぜんとして夢でも見ている人のように一口も物をいわなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
がんじ搦みにされてしまった! そうして自然とサルグツワがまり、あんまり意外なので気絶したが眼覚めてみれば気味悪い部屋! ……菫色すみれいろ燈火ひかり
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もちろん宋江の首カセは厳重にめられ、公文の手つづき、身柄の引渡し、奉行所や牢城などの認知証にんちしょうもうけとって、これはすぐさま済州さいしゅうへ帰って行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出入り口はひらき戸だが、躯をかがめなければならないほど小さく、南側に一メートル四方ばかりの窓が一つ、それも手作りで、くもりガラスがめてあった。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
長襦袢ながじゅばんといった冬物を、め込みになっている三さおばかりの箪笥たんすのけんどんから取りだし、電話で質屋の番頭を呼び寄せ、「みんな下へおりておいで」といって子供たちを遠ざけ
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
春水堂がかねて雪之丞にめて書き下した、「逢治世滝夜叉譚ときにあうたきやしゃばなし」で、将門まさかど息女むすめ滝夜叉たきやしゃが、亡父の怨念うらみを晴そうため、女賊となり、遊女となり、肝胆を砕いて、軍兵を集め、妖術を駆使して
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
人間にんげん望遠鏡ばうゑんきやうのやうになに規則きそく書物ほんでもありはしないかと。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そして、感光膜の輪を鉄管の先端にうまくめ込むと同時に、鈎切がんぎりにつけたもう一本の糸をあやつって感光膜フィルムを結びつけた糸を切り、更に、その鈎切で、垂直下に当る動力線の一点に傷をつけたのです。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
けだし武州公の如き被虐性ひぎゃくせいの性慾を持つ人は、やゝともすると相手の女性をおのれの注文に応ずるような型に当てめて空想するから
清水さんは帽子をかぶっていながら帽子を探したり、お花さんの裾を踏んであやまったり、右の手に左の手袋がまらなかったりした。随分そそっかしい人だ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そこに机を並べて二人いた昔の心持が、まだ壁にも天井てんじょうにも残っていた。硝子戸ガラスどめた小さいたなの上に行儀よく置かれた木彫の人形もそのままであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そんな切ってめるような言葉を我われが信ずるとでも思うんですか、こっちはまじめなんだ、あなたも能登守の御胤ならもう少し堂々とやったらどうです」
野分 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
広さ六畳の洋風書斎、壁にめ込まれた巨大おおきな書棚。それへ掛けられた深紅の垂布たれぎぬ、他に巨大な二個の書棚、なおこの他に廻転書架、窓に向かって大ぶりのデスク。
小酒井不木氏スケッチ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
口述書をとられ、死刑囚用の重さ二十五きんの首かせがめられ、その夕、大牢の闇へほうり込まれた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きびしい宗教的な戒律というほどでなくとも、日常生活を何かそういった形式にめこめるものなら、そうしたいという気持もありながら、ちょうど少し勤労以外の所得があったところから
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
矢張日本人には日本人同士がよく、ナオミのようなのが一番自分の注文にまっているのだと、そう考えて結局私は満足していたのです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「だがねえ伊集院さん、浜路という娘は、妾の今云った条件に、あてまっているような女かしら?」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
六ちゃんは電車へ乗り、まず名札を札差に入れ、ハンドルをコントローラーのノッドへめ込む。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)