旅費りよひ)” の例文
まへばんに、ちゝ宗助そうすけんで、宗助そうすけ請求せいきうどほり、普通ふつう旅費りよひ以外いぐわいに、途中とちゆうで二三にち滯在たいざいしたうへ京都きやうといてからの當分たうぶん小遣こづかひわたして
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あひなるべくは多治見たぢみへのして、陶器製造たうきせいざう模樣もやうまでで、滯在たいざいすくなくとも一週間いつしうかん旅費りよひとして、一人前いちにんまへ二十五兩にじふごりやうちうにおよばず、きりもちたつた一切ひときれづゝ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
罷り下り候へども道中の事故小兒のちゝこまはて旅費りよひたくはへとてものこり少なになり漸々やう/\三州藤川宿迄で參りし折柄不便ふびんには候得共餓死がしせんよりはと存じ同宿の町外まちはづれへ棄兒すてごに仕つり候然るに只今六右衞門久八兩人よりの申立を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……船中せんちうにてやうなことまをさぬものだが、龍宮場末りうぐうばすゑ活動寫眞くわつどうしやしん宣傳プロパガンダをするやうな風説うはさいて、らざるべけんやと、旅費りよひくるしいのが二人ふたりづれで驅出かけだした。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のちにもふが——いつもはくだん得意とくいくるまで、上街道かみかいだう越前ゑちぜん敦賀つるがたのに——爾時そのときは、旅費りよひ都合つがふで。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御懇情ごこんじやうはもとよりでございますが、あなたは保勝会ほしようくわい代表だいへうなすつて、みづうみ景勝けいしよう顕揚けんようのために、御尽力ごじんりよくをなすつたので、わたしが、日日社にちにちしやより旅費りよひ頂戴ちやうだいおよんで、遥々はる/″\出向でむきましたのも
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
旅費りよひすくないから、旦那だんな脇息けふそくとあるところを、兄哥あにいつて、猫板ねこいた頬杖ほゝづゑつくと、またうれしいのは、摺上川すりかみがはへだてたむか土手どてはら街道かいだうを、やまについて往來ゆききする人通ひとどほりが、もののいろ姿容なりかたち
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)