トップ
>
必
>
かならず
ふりがな文庫
“
必
(
かならず
)” の例文
何
(
なに
)
、
男
(
をとこ
)
を
殺
(
ころ
)
すなぞは、あなた
方
(
がた
)
の
思
(
おも
)
つてゐるやうに、
大
(
たい
)
した
事
(
こと
)
ではありません。どうせ
女
(
をんな
)
を
奪
(
うば
)
ふとなれば、
必
(
かならず
)
、
男
(
をとこ
)
は
殺
(
ころ
)
されるのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
古語に
曰
(
いわ
)
く、
遠不
レ
慮
とおくおもんぱからざれば
則
(
すなわち
)
必
(
かならず
)
在
二
近憂
一
ちかきうれいあり
と、故に間に遠近の差別なく其間を
不
レ
守
まもらず
巌流島
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
われ
茉莉
(
まつり
)
素馨
(
そけい
)
の花と而してこの来青花に対すれば
必
(
かならず
)
先考日夜愛読せし所の中華の詩歌
楽府
(
がくふ
)
艶史の
類
(
たぐひ
)
を想起せずんばあらざるなり。
来青花
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
亦、天皇、其后へ、
命詔
(
ミコトモタ
)
しめして言はく、「
凡
(
およそ
)
、子の名は
必
(
かならず
)
、母名づけぬ。此子の御名をば、何とか称へむ。」かれ、答へ
白
(
もう
)
さく、……。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
必
(
かならず
)
しも自己のためにのみ来世を望むにあらず、神の義の完全なる
顕照
(
けんしょう
)
を熱望する時、自己を離れて人に深刻痛切なる来世希求が起るのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
屋號
(
やがう
)
、
樓稱
(
ろうしよう
)
(
川
(
かは
)
。)と
云
(
い
)
ふ
字
(
じ
)
、(
松
(
まつ
)
。)と
云
(
い
)
ふ
字
(
じ
)
、
藍
(
あゐ
)
に、
紺染
(
こんぞめ
)
、
暖簾
(
のれん
)
靜
(
しづか
)
に(
必
(
かならず
)
。)と
云
(
い
)
ふ
形
(
かたち
)
のやうに、
結
(
むす
)
んでだらりと
下
(
さ
)
げた
蔭
(
かげ
)
にも、
覗
(
のぞ
)
く
島田髷
(
しまだ
)
は
見
(
み
)
えなんだ。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此まゝにして置けば、隣家は
宥
(
ゆる
)
してくれもしようが、
必
(
かならず
)
何処
(
どこ
)
かで殺さるゝに違いない。折も好し、
甲州
(
こうしゅう
)
の赤沢君が来たので、甲州に連れて往ってもらうことにした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それは又どうして? とお嬢様は
必
(
かならず
)
お尋ねでございましょう。簡単に申し上げることに致します。
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
作者の心に映る幻影を幻影として写す秋成の態度と、心理批判を棄て得ない谷崎君の態度に、私などは時代の相違を見るので、
必
(
かならず
)
しも一を
是
(
ぜ
)
とし一を
非
(
ひ
)
とするのではない。
武州公秘話:02 跋
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
作者の心に映る幻影を幻影として写す秋成の態度と、心理批判を棄て得ない谷崎君の態度に、私などは時代の相違を見るので、
必
(
かならず
)
しも一を
是
(
ぜ
)
とし一を
非
(
ひ
)
とするのではない。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
御
説
(
せつ
)
に
曰
(
いはく
)
「
凡
(
およそ
)
物
(
もの
)
方体
(
はうたい
)
は(四角なるをいふ)
必
(
かならず
)
八を以て一を
囲
(
かこ
)
み
円体
(
ゑんたい
)
は(丸をいふ)六を以て一を
囲
(
かこ
)
む
定理
(
ぢやうり
)
中の
定数
(
ぢやうすう
)
誣
(
しふ
)
べからず」云々。雪を
六
(
むつ
)
の
花
(
はな
)
といふ事 御
説
(
せつ
)
を以しるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
第四 冬寒支体
僵瘃
(
きょうちょく
)
ノ病 雪塊ヲ取テ患部ニ
擦搽
(
さった
)
スレバ即チ
愈
(
い
)
ユ 又臘雪水甘クシテ大寒 天行
時
(
じ
)
疫
(
えき
)
ヲ解シ一切ノ
瘡毒
(
そうどく
)
ヲ療ス ソノ他諸病ニ於テ
必
(
かならず
)
須
(
ま
)
ツ所ニシテ医家欠クベカラズ
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
余幼童
之
(
の
)
時春色清和の日には
必
(
かならず
)
友どちとこの堤上にのぼりて遊び候、水には上下の船あり、
堤
(
つつみ
)
には往来の客あり、その中には田舎娘の浪花に奉公してかしこく浪花の
時勢粧
(
はやりすがた
)
に
倣
(
なら
)
ひ
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
必
(
かならず
)
しも
力
(
つと
)
むるとにはあらねど、夫の前には
自
(
おのづか
)
ら気の張ありて、とにかくにさるべくは振舞へど
恣
(
ほしいま
)
まなる
身一箇
(
みひとつ
)
となれば、
遽
(
にはか
)
に
慵
(
ものう
)
く
打労
(
うちつか
)
れて、心は整へん
術
(
すべ
)
も知らず
紊
(
みだ
)
れに乱るるが常なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
若
(
も
)
しも、
建築
(
けんちく
)
の
根本義
(
こんぽんぎ
)
が
解決
(
かいけつ
)
されなければ、
眞正
(
しんせい
)
の
建築
(
けんちく
)
が
出來
(
でき
)
ないならば、
世間
(
せけん
)
の
殆
(
ほと
)
んど
總
(
すべ
)
ての
建築
(
けんちく
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
眞正
(
しんせい
)
の
建築
(
けんちく
)
でないことになるが、
實際
(
じつさい
)
に
於
(
おい
)
ては
必
(
かならず
)
しも
爾
(
しか
)
く
苛酷
(
かこく
)
なるものではない。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
既
(
すで
)
に
斯
(
か
)
くの如しとせば、予等独自の眼光を以て万象を観んとする芸術の士の、梅花に好意を感ぜざるは
必
(
かならず
)
しも怪しむを要せざるべし。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
我が国人に取って海外の新説はいつの時代にあっても
必
(
かならず
)
歓迎せられ、またいつの時代にあっても必相応の効果を成すものである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ヨブの如き人を今日わが国において見ざる事は
必
(
かならず
)
しもヨブが架空の人たる証左とはならない。しかしながらヨブの完全は神より見ての完全ではない。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
必
(
かならず
)
形は一人称で、而も内容は三人称風のものである。其が、明らかに地の文の意義を展いて来るのは、下地に劇的発表の要求があるのである。此事は様式論として、詳しく書く機会があらう。
国文学の発生(第二稿)
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
だから粗密の好みを云へば、一致しない点が多いかも知れぬ。が、純雑を論ずれば、
必
(
かならず
)
しも我等は他人ではない。(十一月十二日)
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
凡
(
およそ
)
江戸時代の詩文集には
必
(
かならず
)
数人の序跋題辞等が掲げてあるのに、独り枕山の集のみこれを見ないのは
頗
(
すこぶる
)
異例とすべきである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかしこれ感情激発の語であれば、普通の批判の標準を以てこれに対すべきではない。しかしながらヨブの言
必
(
かならず
)
しも全然誤謬ということは出来ない。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「その罪を憎んでその人を憎まず」とは
必
(
かならず
)
しも行うに難いことではない。大抵の子は大抵の親にちゃんとこの格言を実行している。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今日
(
きょう
)
看
(
み
)
て過ぎた寺の門、
昨日
(
きのう
)
休んだ
路傍
(
ろぼう
)
の大樹もこの次再び来る時には
必
(
かならず
)
貸家か
製造場
(
せいぞうば
)
になっているに違いないと思えば
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それでは清閑の無いやうな現代の生活からは、芸術を望むことは出来ないかと云ふと、
私
(
わたし
)
は
必
(
かならず
)
しもさうではないと思ふのである。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然りといへども
小人
(
しょうじん
)
にして
珠
(
たま
)
を抱けば
必
(
かならず
)
過
(
あやまち
)
あり。鏡に
面
(
つら
)
をうつして分を守るは身を全うするの道たるを思はば襤褸買必しも百損といふを得んや。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
嘲笑つてゐるかも知れないのだぞ。生きろ! 立派に生きて見せろ! 侍従の
糞
(
まり
)
を見さへすれば、
必
(
かならず
)
お前は勝ち誇れるのだ。……
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私はこれ等の光景に接すると、
必
(
かならず
)
北斎或はミレヱを連想して深刻なる絵画的写実の感興を
誘
(
いざな
)
ひ出され、
自
(
みづか
)
ら
絵事
(
くわいじ
)
の心得なき事を悲しむのである。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
可笑
(
をか
)
しい話でございますが、わたしは
未
(
いまだ
)
に薬種の匂、
陳皮
(
ちんぴ
)
や
大黄
(
だいわう
)
の匂がすると、
必
(
かならず
)
この無尽燈を思ひ出さずには居られません。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
北寿の板物を見るものはまた彼が好んで雲を描くがために
必
(
かならず
)
その画面には空と水との
大
(
だい
)
なる空間を設けたる事を知るべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
が、同感であると云ふ意味は
必
(
かならず
)
しも各時代の芸術を、いづれもその時代の芸術であるから、平等に認めると云ふ意味ではない。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勿論
(
もちろん
)
その時はひどく怒るだろうが、怒るほど内心未練が強くなるのにきまっているから、翌日
必
(
かならず
)
恨みをいいにやって来る。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「お前はよくそんな事まで覚えてゐるね。」——夫にかう
調戯
(
からか
)
はれると、信子は
必
(
かならず
)
無言の儘、眼にだけ
媚
(
こび
)
のある返事を見せた。
秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
帽子は広き
鍔
(
つば
)
ありて鉢巻のリボンを後に垂らしたり。ズボンは中学校に入り十五、六歳にいたるまで
必
(
かならず
)
半ズボンなりき。
洋服論
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
(後者は
永井荷風
(
ながゐかふう
)
氏の
比喩
(
ひゆ
)
なり。
必
(
かならず
)
しも前者と
矛盾
(
むじゆん
)
するものにあらず)予の文に至らずとせば、
斯
(
かか
)
る美人に対する感慨を
想
(
おも
)
へ。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いづれも三日打捨てて置けば必ず向より詫を入れて還ること、あたかももう来ねへぞといふお客
必
(
かならず
)
その晩に来るが如し。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「侏儒の言葉」は
必
(
かならず
)
しもわたしの思想を伝えるものではない。唯わたしの思想の変化を時々
窺
(
うかが
)
わせるのに過ぎぬものである。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私はこれらの光景に接すると、
必
(
かならず
)
北斎あるいはミレエを連想して深刻なる絵画的写実の感興を
誘
(
いざな
)
い出され、
自
(
みずか
)
ら
絵事
(
かいじ
)
の心得なき事を悲しむのである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
まして「えけれしや」への出入りには、
必
(
かならず
)
髪かたちを美しうして、「ろおれんぞ」のゐる方へ眼づかひをするが
定
(
ぢやう
)
であつた。
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
靴は穿かず、古下駄も
踵
(
かかと
)
の方が台まで摺りへっているのを捜して穿く事、煙草は
必
(
かならず
)
バットに限る事、エトセトラエトセトラである。だから訳はない。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
僕の「大溝」を思ひ出したり、その又「大溝」に釣をしてゐた叔父を思ひ出したりすることも
必
(
かならず
)
しも偶然ではないのである。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
物極まれば
必
(
かならず
)
変転するのは自然の法則である。われわれの子孫が再び古き日本を追想すべき時も来ずには居まい。回顧の資料は書籍に優るものはない。
冬日の窓
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
すましてゐるだけなら、まだいいが、外の連中が、せつせと虱狩をしてゐるのを見ると、
必
(
かならず
)
わきからこんな事を云ふ。——
虱
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
都人の来って酒宴を張り或は遊冶郎の
窃
(
ひそか
)
に芸妓矢場女の如き者を拉して来る処で、市中繁華の街を離れて
稍
(
やや
)
幽静なる地区には
必
(
かならず
)
温泉場なるものがあった。
上野
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
が、指の満足だつた彼も、——同時に又相手を
翻弄
(
ほんろう
)
する「あそび」の精神に富んでゐた彼も
必
(
かならず
)
しも偉大でないことはない。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
世人は元禄の軟文学を論ずる時
必
(
かならず
)
西鶴と近松とを並び称しているようであるが、わたくしの見る処では、近松は西鶴に比すれば遥に偉大なる作家である。
正宗谷崎両氏の批評に答う
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
こは芸術を使命とするものには
白日
(
はくじつ
)
よりも明らかなる事実なり。然れども独自の眼を以てするは
必
(
かならず
)
しも容易の
業
(
わざ
)
にあらず。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人その身の強弱を顧ずして食うべきもの悉く取って以って食うべしとなさば
必
(
かならず
)
身を
傷
(
そこな
)
うべし。読書見聞もその修むる道によりて慎むべく避くべきもの多し。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
又産児を
免
(
まぬか
)
るべき科学的方法並びに道徳的論も
略
(
ほぼ
)
完全に
具
(
そなは
)
りたれば当代の女人の
必
(
かならず
)
しも
交合
(
かうがふ
)
を恐れざるは事実なるべし。
娼婦美と冒険
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
市中の道を行くには
必
(
かならず
)
しも市設の電車に乗らねばならぬと
極
(
きま
)
ったものではない。いささかの遅延を忍べばまだまだ悠々として
濶歩
(
かっぽ
)
すべき道はいくらもある。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
必
常用漢字
小4
部首:⼼
5画
“必”を含む語句
必定
必要
必竟
必然
必死
必須
必死的
忽必烈
生者必滅
甲必丹
必至
必要品
不必要
盛者必衰
必需
必要條件
必用
必須条件
必殺
必要上
...