“土竜”のいろいろな読み方と例文
旧字:土龍
読み方割合
もぐら81.1%
もぐらもち16.2%
むぐら2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四角に仕切った芝居小屋のますみたような時間割のなかに立てこもって、土竜もぐらのごとく働いている教師よりはるかに結構である。
作物の批評 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ウン起きたか省作、えい加減にして土竜もぐらの芸当はやめろい。今日はな、種井たねいさらうから手伝え。くよくよするない、男らしくもねい」
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
聖晩餐大会はきっと、沈滞した田舎から、こうした掘り出された土竜もぐらのような、目の見えない、どうにも仕様のない生き物を吸い寄せたのに違いなかった。
「あたしが起きてるのに、眠るって法があるの。土竜もぐらもちみたいに、布団の中に頭からもぐりこんでさ……。お起きなさいったら。起きて頂戴よ。」
溺るるもの (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「茂兵衛だって、鳥や土竜もぐらもちじゃありませんよ。あの箱の中のような庭からどこをどう逃げ出したというんで? え、親分」
おもしろいことには、神を見る哲学に対して、その手探りの哲学は、優者らしいあわれむような尊大な態度を取る。あたかも土竜もぐらもちが叫ぶがような声を出す、「やつらの太陽ときたら気の毒なものだ!」
あれよ、……あの、大学校の大教室でっけえへやに、椅子で煙草をんでござった、人間離れのした神々しいえらい処を見ぬ前だで——あれを見た目にゃ、こんなその、土竜むぐら見たようになってしもうた俺が手で、危いことするは余り可惜あったらものだ思う気が、ふいと起ってどうにも出来ねえのですのだで。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)