“でき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
出來46.3%
出来37.7%
3.5%
腫物1.7%
竣工1.7%
1.3%
1.3%
0.9%
0.9%
出切0.9%
成熟0.4%
0.4%
出事0.4%
出産0.4%
勝負0.4%
当歳0.4%
成効0.4%
成績0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さいはひ非常ひじやうなる同情どうじやう好意かういもつて一億圓おくゑんのクレデイツトの設定せつていをすることが出來できたことは、日本にほん財界ざいかいつて此上このうへもなき次第しだいである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
わたくしおもうには、これだけのぜにつかうのなら、かたをさええれば、ここに二つの模範的もはんてき病院びょういん維持いじすることが出来できるとおもいます。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それにしても、文字もんじが彫ってあると云うのはすこぶる面白い問題で、文字もんじの解釈ができたら、𤢖の正体はいよいよ確実に判りましょう。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
栄蔵は顔一面のお腫物できの中から、可愛かはいらしい眼で見てゐる赤ん坊を預ることは、あまり気がすすまなかつた。でも、嫌だといふことは、栄蔵の性質として出来なかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
宝町の三井では、建築たて増しの竣工できた祝いと、新開きの西店の売出しとで、一町内に、紅白の幕を張り、紺の暖簾のれんに、花傘を植えならべて、屋根の上から、餅をいていた。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その翌る朝、一寸法師の玉六のでき死体は、百本ぐいから揚がったのです。
「陛下、ちよつとお伺ひ致しますが、この三鞭酒はどこのできでございます。」
をかし行かれしとて思ふ如き鳥もかゝるまじまづ今日はやめに致し玉へ手柄は何時でもできる事と押止おしとゞめけれど思ひこみたる左京は更に聞き入れず思立しが吉日なり是非とも參りたしとたつての懇望こんまうなれば然程さほどに思はれなば兎も角もと手下の小賊せうぞく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
できだらけの迷い犬に三度三度めしをやっているうち、覚えてくる愛情に、それは似ていた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
腰巻がしだいに尽きて、下から茶色のはぎが出る。脛が出切できったら、藁草履わらぞうりになって、その藁草履がだんだん動いて来る。頭の上に山桜が落ちかかる。背中には光る海をしょっている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あれもそれ中途ちうと盲目めくらつたんだから、それまでにはたらいて身體からだ成熟できてるしおめえもつてるとほりあんで仕事しごと出來できるしするもんだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
はらいてえのか毒消どくけしでもませてつか、らもはあ、うめだのすもんもだの成熟できちやびや/\すんだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いかさま、まづ第一木彫きぼりの人形か、其次は………イヤ中店なかみせのおもちやを一手買占もできるだらうな。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
どうか話をしたいから出て来いと云って、返事を寄越したが、四年あとの山水で田地から諸道具衣類まで皆流されてしまったゆえ、今ではどうする事も出事できず、今お金が五十金あれば
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
織娘の中で心掛けの善いおくのと云うが有りまして、親父おやじ鑑識めがねでこれを茂之助に添わせると、いことにはたちまち子供が出産できました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もうけ仕事というんなら、いくらでも乗りやすぜ——このごろ、ずッと勝負できが悪くって、すっかりかじかんでいるんですから——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
かかること相話しながら、しんを二本の綸に注ぎ、来るか来るかと、待ちわびしが、僅に、当歳でき魚五六尾挙げしのみにて、ついに一刻千金と当てにしたりし日も暮れぬ。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
嬢様は御発明だからチヤンと見抜いて在らツしやる。何時ぞやも俺が傍で聞いてゐたら、奴め得意になつて同僚の評判から局長の噂、来年は海外視察に行く運動も首尾よく成効できさうだと自慢たら/\。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
その朝は殊に其数が多かつた。平生へいぜいの三倍も四倍も……遅刻がち成績できの悪い児の顔さへ其中に交つてゐた。健は直ぐ、其等の心々に溢れてゐる進級の喜悦よろこびを想うた。そして、何がなく心が曇つた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一木内相の理想おもはく通りに女を拵へさせたら、どんな物が出来上るだらう。堅麺麭かたパンのやうな二宮宗に、ちよつぴり性慾をつまみ込んだ、まるでサンドヰツチのやうな女ができるに相違ない。