“黐竿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もちざお83.3%
もちざを16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
木村は今云ったような犬塚の詞を聞く度に、鳥さしがそっとうかがい寄って、黐竿もちざおさきをつと差し附けるような心持がする。そしてこう云った。
食堂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しこを売る声もきこえた。赤とんぼを追いまわる子供の黐竿もちざおも見えた。お君はうっとりとそれを眺めていると、内からお絹の弱い声が聞えた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
毎日長い黐竿もちざをを持つて町の空へ來る蜻※とんぼを追ひ𢌞して居た兄の子供も、復た/\夏休み前と同じやうに鞄を肩に掛けて、學校へ通ふやうに成りました。
お前は私たちの後から、黐竿もちざをを肩にかついだ小さな弟と一しよに、魚籠をぶらさげて、ついてきた。私は蚯蚓がこはいので、お前の兄たちにそれを釣針につけて貰つた。
麦藁帽子 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)