“もちざお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黐竿83.3%
黐棹16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長い黐竿もちざおをかついで池の方へ通う近所の子供等も二階から見えた。そのうちに岸本は家の方から往来の片側を通って来る兄の姿を見かけた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
若き、美しき女友達来てこれに加はり、親しげなる会話聞えはじむ。漁者と鳥さしと数人、網、釣竿、黐竿もちざお、その他の道具を
云われて小四郎振り返って見ると、かし材五寸の厚味を持った厳重を極わめた板壁が、ヘナヘナ竹の黐棹もちざおの先にブッツリ貫かれているではないか。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ジイジイ鳴噪なきさわいでも黐棹もちざおの先へも掛けないで、けろりと返さぬのがおきまりであった。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
頭巾、袖無し、裁着たっつけ黐棹もちざお、甚太郎が船に乗っていた。いずれも衣裳は新調で、黐棹ばかりが元のままであった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「どうもいけねえ。眼付かったらしい」甚太郎は黐棹もちざおを握り締めたが、つと姿を現わした。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)