“鯷”の読み方と例文
読み方割合
しこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しこを売る声もきこえた。赤とんぼを追いまわる子供の黐竿もちざおも見えた。お君はうっとりとそれを眺めていると、内からお絹の弱い声が聞えた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
せつせと押し進む艀の両側には、かつをからでも追はれて来てゐたか、波の表が薄黒く見ゆる位ゐまでに集つたしこの群がばら/\/\と跳ね上がつた。
岬の端 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
甲州街道に肴屋さかなやはあるが、無論塩物干物ばかりで、都会とかいに溢るゝしこ秋刀魚さんままわって来る時節でもなければ、肴屋の触れ声を聞く事は、殆ど無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)