黄黒きぐろ)” の例文
始めは煎薬せんやくに似た黄黒きぐろい水をしたたかに吐いた。吐いたあとは多少気分がなおるので、いささかの物は咽喉のどを越した。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぼうっと黄黒きぐろい倫敦の露ぞらとともにすぐ消えて、かわりに私は、この一年あまり欧羅巴ヨーロッパ地図の上を自在に這い廻って、いま家路に就こうとしている二足の靴を想像する。