麦焦むぎこが)” の例文
ところが先生らの手には死骸の肉や骨砕ほねくずや脳味噌などが沢山ついて居るけれども、一向平気なもので「さあお茶をあがれ、麦焦むぎこがしをあがれ」
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
それにもかかわらず、彼女は全く変化していた。どこから見ても田舎育ちの御婆さんであった。多少誇張していえば、かごに入れた麦焦むぎこがしを背中へ脊負しょって近在から出て来る御婆さんであった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
麦焦むぎこがしを喰わせるものと見えて麦焦しの入物いれものがその端にある。また差入物というような訳と見えて少しよい食物もそこに置いてあります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
……そこでまあ袋の中から麦焦むぎこがしの粉を出して椀の中に取り入れそれに雪と幾分かのバタを加えてうまい具合にねるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)