鶏肉屋とりや)” の例文
来合わせたタキシーを拾って神奈川県庁前の東都日報支局に横付けて、中学時代の同窓であった同支局主任の宇東うとう三五郎をタタキ起して、程近い鶏肉屋とりやの二階に上った。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
小山の奥さん、大原さんのお口には合いますまいけれども鳥の肉を柔く煮ますのは普通の鶏肉屋とりやでお買いなすったこわい肉なら大切片おおぎれのままザット三時間も湯煮ゆでるのです。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
れから少し都合のい時には一朱か二朱もっ一寸ちょいと料理茶屋に行く、是れは最上のおごりで容易に出来兼ねるから、度々たびたびくのは鶏肉屋とりや、夫れよりモット便利なのは牛肉屋だ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)