魯鎮ろちん)” の例文
わたしども魯鎮ろちんの習慣は、およそ誰でも嫁にったむすめは、まだ当主にならないうちは、夏の間たいていは里方に行って暮すのである。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
片田舎の魯鎮ろちんはまだなかなか昔風で、どこでも大概七時前に門を閉めて寝るのだが、夜の夜中にねむらぬ家が二軒あった。
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
彼の祖父から彼の代まで三代鋤鍬すきくわを取らなかった。彼もまた先代のように人のために通い船を出していた。毎朝一度魯鎮ろちんから城へ行って夕方になって帰って来た。
風波 (新字新仮名) / 魯迅(著)
魯鎮ろちんの酒場の構えは他所よそと違っていずれも皆、曲尺形かねじゃくがた大櫃台おおデスクを往来へ向けて据え、櫃台デスクの内側には絶えず湯を沸かしておき、燗酒がすぐでも間に合うようになっている。
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)