高蒔繪たかまきゑ)” の例文
新字:高蒔絵
昨日仕舞ひ込んだ雛の道具の中から、高蒔繪たかまきゑの可愛らしい雛箪笥を見付けて、念のために振つて見ると、中でカラカラと鍵が鳴つてゐるではありませんか。
金の葵唐草からくさ高蒔繪たかまきゑにて紫縮緬の服紗にて熨斗目麻上下の侍ひ持行同じ出立の手代てがはり一人引添ひきそひたり又麻上下にて股立もゝだちとつたる侍ひ十人宛二行に並ぶ次にちゞら熨斗目に紅裏こううらの小袖麻上下にて股立取たるは何阿彌なにあみとかいふ同朋どうぼうなりさて天一坊は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
清左衞門の取出したのを見ると、梨地なしぢに菊の花を高蒔繪たかまきゑにした見事な手文庫の、朱の紐を卷いた封は破られて、中を開けると、二三枚の小菊と、見すぼらしい短刀が入つて居るだけです。
ひもの色、高蒔繪たかまきゑ、いくらか似ては居りますが、よく/\見ると、まるつ切り違つた品で、金蒔繪きんまきゑで散らした紋も、鷹の羽が何時の間にやら抱茗荷だきめうがになつて、嚴重にした筈の封印もありません。