駐劄ちゅうさつ)” の例文
まず客人まろうどは、英皇太后メアリー陛下の御弟エースローン公、ドイツはモスクワ駐劄ちゅうさつ大使シュレンバーグ伯、またエジプトの女王ナズリ陛下、イタリアは皇甥スポレート侯爵。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ちょうどその時刻ヴィルプール駐劄ちゅうさつの英国駐在官レジデントサー・ロバートソン・ジャルディンきょうは、国王に拝謁はいえつして退庁しようとしてたまたま王女のあでやかなお姿を、開け放したドアの向うに垣間見た。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
今のベルリン駐劄ちゅうさつ公使なる西園寺侯は新たに仏国より帰りて、二、三の同志を糾合し、たとえ暫時なりとも『東洋自由新聞』を発行せしこと、および今の兆民居士、中江篤介氏が帷を下して徒を集め
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
三年以前当時十六歳の少年であったナリン太子のために王宮内で射殺せられたヴィルプール駐劄ちゅうさつの無礼な英国の駐在武官サー・ロバートソン・ジャルディンきょうのたった一人の妹なのであった。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
りに選って私ごときクマソタケル然とした男に抱きつく女なぞのあろうはずもないことであるが、今から一昔の前、西班牙エスパニアの公使が、フランコ政権を代表して、日本に駐劄ちゅうさつしていた時分であった。
雷嫌いの話 (新字新仮名) / 橘外男(著)