馬醉木あせび)” の例文
新字:馬酔木
平次は尚もあちこちと歩いてゐるうちに、裏庭の隅に、茶の木に似て六尺あまりに延び、白くて小さい壺形の花を着けた馬醉木あせびを見付けました。
はる馬醉木あせびに、蝦夷菫えぞすみれかざしぬ、はなを。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
馬醉木あせびに吹矢竹の割つたの、——あつしには何も彼も皆んなわかつたつもりですが——あわてて腹なんか切つちやいけませんよ。あつしは何んにも言やしません。
春は馬醉木あせび蝦夷菫えぞすみれかざしぬ、花を。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「親分、ありますよ。その馬醉木あせびとかいふ木なら丁度板屋家の屋敷の裏に——」