馬穴ばけつ)” の例文
壁ぎわや太い柱の陰におけ馬穴ばけつが汚物をいっぱい溜め、そこらに糞便をながし、骨を刺す異臭のなか
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)
より江たちのお母さんは村でたった一人の産婆さんばさんでした。より江はつまらなそうに、店先へ出て、店に並べてあるざるなべや、馬穴ばけつなぞを、ひいふうみいよおと数えてみました。
(新字新仮名) / 林芙美子(著)
娘は馬穴ばけつにいっぱい生鰯を入れてもらうとその辺の雑草を引き抜いてかぶせた。
放浪記(初出) (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「おい! 小僧ッ、馬穴ばけつをやるから足を洗って その鉄梯子から上って来な」
泣虫小僧 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
帰えり道、娘は重そうに馬穴ばけつを私の前に出してこう云った。
放浪記(初出) (新字新仮名) / 林芙美子(著)