香餌こうじ)” の例文
ズイと寄り添ってきた御方の身動きの匂いは、男の好む、あらゆる香餌こうじを含んでいるような魅力をもって、新九郎に眩惑めくるめくまで迫ってきた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝家も、山路正国を説かすに香餌こうじをもってした。——即ち越前坂井郡の丸岡城と、その近地わせて十二万石を与えようという約束なのだ。正国はそれに目がくらんだ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)