饒舌にょうぜつ)” の例文
満腹の饒舌にょうぜつろうして、あくまでこの調子を破ろうとする親方は、早く一微塵いちみじんとなって、怡々いいたる春光しゅんこううちに浮遊している。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
沢庵の饒舌にょうぜつは、彼を怒らすばかりだった。太刀のつかにかかっているこぶしは、憤りにガタガタふるえていた。お通は身をもって沢庵をかばいながら、沢庵の弄舌ろうぜつを泣き声出してたしなめた。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
併し、聞者ききての紋三は相手の饒舌にょうぜつが何を意味するものか、一寸見当がつかないのだ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)