饒舌家じょうぜつか)” の例文
また更に怖るべき饒舌家じょうぜつかであることを知ったならば、二人とも、かくまで羽目をはずして時事を痛論するようなことはなかったでしょう。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
器用な真似まねが出来ないので、この饒舌家じょうぜつかの婦人の間に挟まった不運を嘆息しながら、いやでも応でもそれを拝聴していなければなりませんでした。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「そう云えば、あのお人ですわ。お爺さん」幸なことには彼女も亦、老主人に劣らぬ饒舌家じょうぜつかであった。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
でたらめ記者、饒舌家じょうぜつか、弁護士、弁論家、演壇、論争、進歩、光明、人権、出版の自由、そういうものがあればこそ、子供は皆こういう姿になって家に運ばれて来るのだ。
「だんなはこのままご滞在ですね。あの病気はちっとも気になさらないんですね。」アッシェンバッハはかれをみつめた。「病気?」とかれはおうむがえしに言った。饒舌家じょうぜつかは黙った。
「なるほど、風俗壊乱というような字があったね。僕はそうは取らなかった。芸術と官吏というだけに解したのだ。政治なんぞは先ず現状のままでは一時の物で、芸術は永遠の物だ。政治は一国の物で、芸術は人類の物だ。」小川は省内での饒舌家じょうぜつか
あそび (新字新仮名) / 森鴎外(著)
決して青嵐居士のような饒舌家じょうぜつかではない、あくまでも関守氏にしゃべらせて、自分は、言語と態度を極度に惜しむかの如く、傲然ごうぜんとして、それに聞きいるだけの姿勢にいる。