風化ふうか)” の例文
風化ふうかして、ばらばらになっていた。しかし骨片の位置とその数からして、一人の人間の骨であることが誰にもよく分った。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ここの太鼓もずいぶん久しい年代をているらしい。びょうの一粒一粒が赤くびているのでもわかる。四方の太柱ふとばしらでさえ風化ふうかして、老人の筋骨のように、あらあらと木目のすじが露出ろしゅつしている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岩にけ目があるでしょう。ここを温泉おんせんが通って岩を変質へんしつさせたのです。風化ふうかのためにもこうう赤いしまはできます。けれどもここではほかのことから温泉の作用ということがわかるのです。〕
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)