頭葢骨ずがいこつ)” の例文
「それから耳の底でダイナマイトが爆発して、眼の奥で大火事が始まったかと思うと頭葢骨ずがいこつの中で大地震が揺り出した」
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まず頭の生皮を剥いで、ついで頭葢骨ずがいこつを上手に割って、そっと脳髄を取りだして、その後へ羊の脳髄を入れる。……アッハッハッ珍なものが出来るぞ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それからしばし彼は黙祷するものの如くであったが、やがてフランボーの手から鋤をとって「さあこうして元の通りに土をかけねばならん」と云いながら頭葢骨ずがいこつを土に深く押やった。
猟師の食べのこしたけだものの肉の、干からびたのが捨ててあったり、頭葢骨ずがいこつ肋骨あばらぼねがとり散らされてあり、そこへ細長い早瀬の影法師が、焔の加減で顫えながら、延びちぢみして映っていた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)