“頭瘡”の読み方と例文
読み方割合
づさう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中村家の隠居、——伝法肌でんぽふはだの老人は、その庭に面した母屋おもや炬燵こたつに、頭瘡づさうを病んだ老妻と、碁を打つたり花合せをしたり、屈託のない日を暮してゐた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
父に別れた一粒種の子供、——廉一れんいちも母が血を吐いてからは、毎晩祖母と寝かせられた。祖母は床へはひる前に、かならず頭に手拭をかぶつた。それでも頭瘡づさうの臭気をたよりに、夜更よふけには鼠が近寄つて来た。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)