革帯かわおび)” の例文
旧字:革帶
武行者は、少年郎わかもの革帯かわおびをつかんで、酒屋の前の谷川へほうり投げた。連れの三人は青くなって「——若旦那ッ」とばかり崖の下へ向って、その体を拾いに行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
普通の服に革帯かわおびを締め、腕章うでじるしを着け、脚絆ゲートルを巻きつけ、銃を肩にし、列をつくって、兵式の訓練を受けるためにルュキサンブウルの公園の方へ行くところであった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その時はなんだかわからなかったのだが、これは、先の革帯かわおびから出た本文の暗号を読む鍵語キイで、これがなくては、その複雑きわまる暗号文はとうてい読みえないところだった。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)