青蓮院しょうれんいん)” の例文
すでに、清掃された一室に慈円じえんは坐っていた。青蓮院しょうれんいんを出て、慈円僧正は昨年から二度目の座主の地位について、この山にあるのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十七日の夜に参内を急いだのは、中川宮(青蓮院しょうれんいん)、近衛このえ殿、二条殿、および京都守護職松平容保かたもりのほかに、会津と薩州の重立った人たちとわかった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これも夜火でございましたが、粟田あわた口の花頂青蓮院しょうれんいん、北は岡崎の元応寺までも延焼いたし、丈余の火柱が赤々と東山ひがしやまの空を焦がす有様はすさまじくも美麗な眺めでございました。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
青蓮院しょうれんいん慈円じえん僧正と、そのほかへ四、五たびの消息をつかわしたり、慈円からも幾回となく書状の来た形跡はあるが、外へは、一歩も出なかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これも夜火でございましたが、粟田あわた口の花頂青蓮院しょうれんいん、北は岡崎の元応寺までも延焼いたし、丈余の火柱が赤々と東山ひがしやまの空を焦がす有様はすさまじくも美麗な眺めでございました。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
近衛忠熙このえただひろは潜み、中川宮(青蓮院しょうれんいん)も隠れた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ただ、こういえ。不肖ふしょうながら、天台六十二世の座主、覚快法親王かくかいほうしんのうより三昧さんまい奥儀おうぎをうけて、青蓮院しょうれんいんの伝燈をあずかり申す慈円が、身にかえての儀と」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)