陽刻ようこく)” の例文
いずれも型による陽刻ようこくである。彩色はないが、ただどこかに鉄砂が簡単な化粧として一点入れてあるのを通則とする。色はやや緑がかって黄ばむ。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
どこからかす半月の月光は、この巨漢の姿とりんたる相貌を、石の表に陽刻ようこくした一個の武人像のようにつゆめかせていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)