阿媽おっかあ)” の例文
片翼かたはになって大道に倒れた裸の浜猫を、ぼての魚屋が拾ってくれ、いまは三河島辺で、そのばさら屋の阿媽おっかあだ、と煮こごりの、とけ出したような
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山茶花さざんかの枝をわざと持って、悪く気取って歩行あるくよりはましだ、と私が思うより、売ってくれた阿媽おっかあの……栄螺さざえこぶしで割りそうなのが見兼みかねましてね
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じゃあま、あばあ、阿媽おっかあが、いま、(狐の睾丸がりま)ぞとののしったのはそれである。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
や、や、いかに阿媽おっかあたち、——この趣を知ってるか。——
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「影か、影か、阿媽おっかあ、ほんとの按摩か、影法師か。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああ、きみたち、阿媽おっかあ、しばらく!……
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)