開敷かいふ)” の例文
そこに彫刀のえが見せてある。せいいっぱい開敷かいふしたかたちであろう。そよとの風にもさそわれて散ってゆかぬでもないように思われるのである。
かくその青年を妨げぬよう、すこし離れて石碑へは斜に、私の礼拝の時の癖になっている未敷みふ蓮華と、それから開敷かいふ蓮華の道印を両手で結んで立ちながら、丁寧に頭を下げた。
褐色の求道 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)