眞夏まなつ日盛ひざかりの炎天えんてんを、門天心太もんてんこゝろぷとこゑきはめてよし。しづかにして、あはれに、可懷なつかし。すゞしく、まつ青葉あをば天秤てんびんにかけてになふ。いゝこゑにて、ながいてしづかきたる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)