長鳴鳥ながなきどり)” の例文
常夜とこよ長鳴鳥ながなきどりといふものの聲が闇の空を破つて遠くにも近くにも起つたが、そこいらはまだ暗かつた。そこへ今度は逞しい『力』の神が來た。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
チャボと名古屋交趾コーチンとを並べて鳴かせて見ても、神代の常世とこよ長鳴鳥ながなきどりの声音を、想像することはむつかしい。
こういう次第で多くの神樣たちが天の世界のあめのヤスの河の河原にお集まりになつてタカミムスビの神の子のオモヒガネの神という神に考えさせてまず海外の國から渡つて來た長鳴鳥ながなきどり
「神代巻」や『古事記』に、天照大神あまてらすおおみかみ岩戸籠いわとごもりの時、八百万やおよろずの神、常世とこよ長鳴鳥ながなきどりあつめ互いに長鳴せしめたと見ゆ。本居宣長曰く、常世の長鳴鳥とは鶏をいう。常世は常夜とこよで常世とは別なり。